フランクリン・コヴィー・ジャパン・レポート
「 Execution (実行」」詳細

チームの目標について

組織が戦略をいかに実行するか、その重要なプロセスのひとつとして、どのような「目標」をどのように設定しているかがあります。
フランクリン・コヴィーの「xQサーベイ」では、チームの目標について、以下の質問をビジネス・パーソンに投げかけました。

下記の中から、「あなたのチーム」の目標について、該当するものを全て選んでください。
1 熱意を持って取り組める目標を設定している 28.0 %
2 利害関係者(「あなたのチーム」として直接サービスを提供する人々や組織)のニーズを満たす目標を設定している 34.1%
3 財務的な効果が評価できる目標を設定している 27.9 %
4 それらの目標が適切な時に遂行されるように、目標をタイムリーに設定している 29.3%
5 実現可能な目標を設定している 45.8%
6 目標を設定していない 10.9%
7 上記のいずれでもない 7.4%

注目すべきは、「熱意を持って取り組める目標を設定している」に「そう思う」と答えた人は、全体のわずか28%しかいないということです。

目標自体に熱意を持てないのであれば、目標の実現の可能性が低くなるのは当然でしょう。

その原因はどこにあるのでしょうか。その答えは、2番目以降の質問内容にありそうです。お客様へ貢献しているという実感、またその目標の達成状況や進捗状況がきちんと把握できるようになっているか、あるいは、実現する可能性がどの程度あるのか、などといった要素が目標に含まれていなければ、目標自体に熱意を持つことはできず、その結果目標の実現性は高まりません。

実現不可能な目標値のみ設定し、進捗状況も把握できず、そもそもなんのための目標なのかがわからない状況で仕事を処理するだけの組織は少なくありません。とりわけ、「利害関係者(「あなたのチーム」として直接サービスを提供する人々や組織)のニーズを満たす目標を設定している」という質問に対して「そう思う」と答えた人が、34.1%しかいない現状は、一体なんのための目標を立てているのかという疑問を持たざるを得ません。

フランクリン・コヴィーの「xQサーベイ」は、この質問群のうち、いくつ選んだかによってスコア化を測ったものです(例えば、全員が1から5までをすべて選んだ場合はその部門のスコアは100、また全員が6か7を選んだ場合は0ということになります)。

そして、この「あなたのチームの目標」についてスコア化を測り、カテゴリーで集計したのが下記の表です。
まず、経営層、管理職、一般社員と分けてスコアを集計してみると、経営層や管理職は比較的高スコアなのに対し、一般社員は、29.6とかなりの開きがあります。やはり、現状は一般社員が熱意のある目標にはなっていないようです。

経営者/役員 40.91
管理職 44.06
一般社員 29.62

次の集計表は、回答者の年収でスコア化したものです。

一目瞭然ですが、ほぼ年収に比例する形になっています。成果の大きさのひとつの尺度として年収でカテゴライズすると、目標の明確化、目標の顧客への貢献度合い、目標の適正な評価基準、目標の実現可能性、などといったことが、成果に直接結びつくようです。

300万円未満 23.97
300万~500万円 27.88
500万~750万円 33.19
750万~1000万円 41.49
1000万~1500万円 44.41
1500万~2000万円 49.00
2000万円以上 45.00

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