「グローバル化」「ネットワーク化」といったこれまで体験したことのない、大きなうねりの中、組織の将来を左右する「戦略」をいかに策定し、構築するか、といった課題は、永遠の大きな課題であり、選択する「戦略」が組織の将来を決めるといっても過言でないでしょう。
しかし、現在のように情報ネットワークが発展し、誰もが様々な情報にアクセスできる時代において、戦略そのものの優越から、いかに戦略を効果的に実行するかといった課題に移ってきています。それは下記に紹介するビジネス界の巨人の言葉からも明らかです。
かのルイス・ガースナーは、このように語ります。「実行こそが、成功に導く戦略の中で決定的な部分なのだ。(中略)世界の偉大な企業はいずれも、日々の実行で競争相手に差をつけている」
そして、日産をV字回復させた、カルロス・ゴーンも「計画を策定することは、日産に求められる再生へ向けての取り組みのせいぜい5%に過ぎない。残りの95%の部分はそれが「実行」できるかにかかっている」と述べています。
なぜこのような「実行力」が問われるようになったのでしょうか。それは、環境やインフラ、ニーズなど、変化のスピードがますます加速し、もはや昨日の成功戦略が明日通用するとは限らない社会になっていることが大きな理由のひとつです。
毎日のように変化する環境の中で、即座に対応し、臨機応変な実行こそが、将来に行き残る数少ない方法だといってもいいでしょう。